WAT Note(III).

ITエンジニアだがFP3級を受けてみた

Tatsuroh Wakasugi
Tatsuroh Wakasugi

GW 前に FP3 級を受験し、なんとか基準点を上回り合格しました。本日あらためて合格証が手元に届いたため、ようやく実感が湧いてきたところです。

といっても、後回しにしすぎてずるずる引きずった結果、取得を決意してから半年ほどかかってしまいました。せっかくの機会なので、受験のきっかけから合格までを体験記としてまとめておこうと思います。

これから受ける方、特に「IT 系だけど別ジャンルの資格も気になっている」というエンジニアの方の参考になれば幸いです。

なぜ受けようと思ったのか?

新しい知識の習得や資格試験の受験はもはや趣味の領域に達しているといってもいいほどで、これまで色々と興味を持って受けてきました。とはいえ IT エンジニアという職業柄、対象はずっと IT 関連の資格ばかりでした。

書店に行くたびに資格試験コーナーを見るのがほとんどなのですが、たまには違う業界のものも見てみようかと棚を眺めていた時に目に留まったのが、FP(ファイナンシャル・プランナー)の参考書でした。

軽く立ち読みしてみると、年金、税金、保険、相続……社会人になってから給与明細や年末調整などで目にする単語が並んでいます。「目にはするけど、実は仕組みをちゃんとわかっていないもの」がかなり多いことに気付かされました。

読んでいるうちに「これは技術とは別に、一般常識として身につけておいた方がいい」と強く思うようになり、勉強することを決意しました。

FP3 級の学習範囲

FP3 級で扱うテーマは、ざっくり以下の 6 分野です。

  • ライフプランニングと資金計画(年金、社会保険など)
  • リスク管理(保険)
  • 金融資産運用
  • タックスプランニング(税金、確定申告)
  • 不動産
  • 相続・事業承継

どれも「社会人として生きているなら一度は関わる」分野ばかりで、勉強していて「あ、これそういうことだったのか」となる場面が頻繁にありました。

使った教材

具体的な名前は権利の関係上ここでは明言しませんが、利用したものは以下のとおりです。

テキストと問題集

メイン教材は、書店の FP 試験コーナーで定番として並んでいるシリーズの教科書と問題集を 1 冊ずつ購入しました。同じシリーズで揃えると参照ページが対応していて使いやすいので、迷ったら教科書と問題集はセットで揃えるのがおすすめです。

最初はほぼ全てが初見だったので、まずは教科書を一通り読み、ある程度わかってきたところで問題集に着手、わからない箇所は教科書に戻って確認する、という進め方をしました。

YouTube の講義動画

書籍だけだとどうしても頭に入りにくい箇所があり、補助として YouTube の講義動画を活用しました。FP3 級向けの講義をシリーズで公開しているチャンネルがいくつかあり、その中から自分に合うものを選んで視聴しました。

テキストで読むより、人が話して説明してくれる方が腑に落ちる箇所は意外と多く、特に年金や相続の制度まわりで助けられました。無料でこの質の解説が見られるのは本当にありがたい時代だと思います。

Web の過去問サイト

直前期の演習には、Web で過去問を公開しているサイトを使いました。過去数年分の過去問が分野ごとに掲載されており、解説もしっかり付いているので、間違えた問題の復習にも便利です。

FP 試験は過去問の焼き直しに近い問題も多く出題されるため、こうしたサイトで繰り返し演習しておくとかなり力が付きます。検索すれば定番のサイトがすぐに見つかるので、自分の使いやすいものを選ぶといいと思います。

試験の形式

FP3 級は、少し前までは年 2 回の会場受験形式でしたが、現在はCBT(Computer Based Testing)方式に移行しています。テストセンターを自分で予約し、ほぼ通年で受験可能です。

試験は 学科試験実技試験 の 2 つに分かれており、それぞれ別枠で予約して受験します。受験時間が被らなければ同日受験も可能で、私も午前と午後で連続して受けてきました。

試験概要はおおよそ以下の通りです(2026 年 5 月時点)。

  • 学科試験: 90 分 / 60 問(○× 式 30 問+三択式 30 問) / 36 問以上で合格
  • 実技試験: 60 分 / 20 問 / 60 点満点中 36 点以上で合格

なお実技試験は「日本 FP 協会」と「きんざい(金融財政事情研究会)」の 2 つの実施団体から選ぶことができ、出題科目が異なります。私は日本 FP 協会の「資産設計提案業務」で受験しました。

結果は CBT の画面上で受験直後にスコアが表示されます。ただし正式な合格発表は試験日の翌月中旬に公式サイトで開示され、合格者には後日合格証書が郵送されます。受験直後に手応えがわかるのは CBT の良いところですね。

私の勉強スケジュール

勉強を始めた当初は、知らない言葉が多いことに加え、法律ベースの内容ゆえに細かい数値(控除額、税率、加入要件など)を覚える必要があり、なかなか頭に入らず苦労しました。

書籍だけで理解しきれない部分は YouTube の講義動画で補完するスタイルで進め、全体を一周してある程度の理解に至るまでに 2〜3 ヶ月 ほどかかった印象です。

ただ、ここからが個人的な事情なのですが、途中に 転職活動 → 年末年始の転職 という大きなイベントがあり、冬場はほぼ完全に放置状態になってしまいました……。年明け以降、改めて問題集と過去問サイトを回し、GW 前の受験にこぎつけた形です。

そもそも FP に興味を持って受験を決めたのが前年の秋頃なので、トータルで合格まで約半年かかった計算になります。ただし冬場の中断期間を除いた直前期、おおよそ 2 月頭から 4 月末までの 3 ヶ月間が実質的な追い込み期で、業務後にほぼ毎日 2 時間ほど勉強していました。ざっくり 2 時間 × 90 日 ≒ 180 時間 が直前期に費やした時間になります。

本気で集中すれば 1 ヶ月以内で取れる人もいると聞くので、かなりスローペースではありますが、社会人の片手間勉強としては現実的な期間ではないかと思います。

IT エンジニアとして受けてみての所感

普段受けている IT 系資格と比べて、FP3 級の勉強で特徴的だったのは以下の点でした。

  • 暗記の比重が大きい: IT 系の試験は「仕組みを理解していれば応用が利く」問題が多めですが、FP は控除額や保険料率など「数字そのものを覚える」必要がある問題が多く、勉強の質が結構違います。
  • 自分の生活に直結する: コードを書くわけでも設定をいじるわけでもないのに、勉強した内容がそのまま給与明細や確定申告、ふるさと納税の判断に効いてくるので、学習のモチベーションが保ちやすかったです。
  • 業務でも案外使える場面がある: フリーランス・副業エンジニアの方なら、青色申告や経費の考え方、小規模企業共済・iDeCo あたりの知識は直接役に立つはずです。

終わりに

途中だいぶ後回しになってしまったものの、「絶対に取る」という気持ちは捨てずにいたので、最終的に合格できたのは素直にうれしいです。

実際に FP として業務をすることは(本業が IT エンジニアなので)おそらくありませんが、社会人として日々生活していくうえで、FP で得られる知識は 必要不可欠とまでは言わないにしても、大いに役立つ と感じています。エンジニアに限らず、すべての社会人にとって学ぶ価値のある分野だと実感しましたし、正直「これ学校で教えてほしかったな……」というのが一番の感想です。

次は 2 級にチャレンジしてみるかどうか、ぼちぼち考えていこうと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。同じく FP に興味を持っているエンジニアの方の背中を、少しでも押せたなら幸いです。